深沢仁「英国幻視の少年たち1~6」感想

読みました。

別で書こうと思うのですが、作者の「この夏のこともどうせ忘れる」「乾き、海鳴り、僕の楽園」を読んで、文章の雰囲気や登場人物の心情描写がめちゃくちゃ好き!!!!となり、Amazonで中古で購入しました。もう新書では手に入らない、かつ、Amazonで中古を購入した後にめちゃくちゃ値上がりしていたようなので、ちゃんと手に入れられて本当によかったです。Kindleでは買えるのですが、やっぱり気に入った本は手元に置いておきたい性質なので。

で、この本ですが、イギリスのとある田舎町がメインで、あとはロンドンを行ったり来たりしながら進んでいきます。

イギリスといえば365日中、穏やかに晴れている日が5日くらいしかないイメージ (というか昔住んでいた感覚でもそんなもん) で、雨が降っていたり、秋の初めでもう寒かったり、空には常に雲が垂れ込めていたり、懐かしいような気持ちで読むことができました。

カイとランスの、友情とも言い切れぬ腐れ縁みたいなもの、すごくよかったです。こういう冒険譚って、他の物語だと青年になる前の16歳前後の少年が主人公になっているようなことが多いと思うのですが、成人している大学生っていう設定もよかった。ちょうどその時期にイギリスにいたので、自分と重なる部分もあったりとかで、感情移入してしまいました。

マリコとグレンは今後どうなるんだろう?グレンの時計は狂ったまま、年を取らないのかな?カイは報告局に永久就職?実家との確執はそのままなのかな?など、気になるところがたくさんあるまま完結となりましたが、物語の続きを感じさせるエンディングが大好きな私にとってはすごくよかった。今月末に作者の新作が出るようなので、そちらも絶対手に入れたいと思います。

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